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オンボーディングの重要性
採用担当者にとって候補者を集め、面接を行い、採用を決定するだけがゴールではありません。近年、よく耳にするオンボーディングというワード。そう、まさに入社後、いかに早く会社に馴染みまさに言葉の通り「即戦略人材」になってもらうかが非常に重要になってきています。
またオンボーディングは人事関連の領域だけではないため、他部署や現場スタッフとの連携が密に発生します。そのためか後回しにしがちな担当者も多いはずです。
今回はそんなオンボーディングを採用実務としてどのようにオペレーションに組み込むかという観点からみなさまに共有したいと思います。
転職は今でこそ一般的になっており、経験者も増えておりますが、中途入社の方が抱えるストレスはやはり大きなものです。もしかしたら人生を大きく変えるキャリアチェンジなのかも知れません。
また中途入社の方はポジティブな気持ちで転職してくることがほとんどですので、一般的には期待値が高い状態だということを必ず忘れないでください。
誰しもが「成果を早く出して社内で認められたい。」と考えています。そしてそのためには中途入社の方の努力はもちろんですが、会社側も受け入れる準備が必要になります。
入社前後の3-4ヶ月であるオンボーディング期間は従業員と会社間で最初の信頼関係を最も作りやすい期間でもあり、失敗すると信頼関係を損ねる期間でもあります。
採用担当者としては成果に見えづらい部分ではありますが、誠心誠意転職者に向き合い個人も会社もお互いがこの出会いに感謝できるように良いスタートを切りましょう。
オンボーディングの実務
理想のオンボーディングを考えた時の採用担当者が担う実務をご紹介いたします。全てを行う必要はありませんが、必須なものもありますので自社で何が必要で自社はどのように思われながら入社されたいかを考えながらチェックしてみてください。
入社前
入社前からオンボーディングは始まります。ここで不誠実な行動やスピーディではない対応をすると候補者内定辞退をすることも頻繁にあります。今までの労力が全て水の泡になりますので、気をつけて対応しましょう。
内定後の契約書、連絡
内定通知書、採用通知書、雇用契約書、オファーレターなど様々なフォーマットがあると思いますが、目的は主に
1.会社側の意図を伝えること
2.労働条件を明確にすること
3.入社時期などの今後の計画を明確にすること
4.それらを相手と同意すること
ですね。まずはここで不明確な対応や口頭で内定を通知したが、その後音沙汰ないなどの対応をすると一気に信頼感がなくなりますので気をつけてください。
またあくまで企業と個人の同意なので、一方的な内容は避けましょう。候補者もこれから今所属している会社を退職したり、引き継ぎをしたり、リフレッシュで休暇を取得することもあるでしょう。お互いが気持ちよく働けるように調整するのがオンボーディングの一歩めです。
社内での調整
今では人事担当や経営チームのみが面接を行うことも減ってきており、担当部署の人が採用に関わることも多いかと思いますが、どうしても一度も現場スタッフと会わずに決まってしまうこともあると思います。こちら最も採用ミスや早期退職が多く発生するポイントの1つです。
このような場合は人事担当は採用した人材がいつ入社すると事務的に伝えるだけではなく、何がしたくて転職してきたのか、業務スキルのどの部分がマッチしたのか、人柄等まで含めて説明し、オンボーディング(メンターや研修等含めた)の依頼を彼らに依頼しましょう。
また可能であれば入社前に責任者との簡単なブリーフィングやランチ会を調整するなどコミュニケーションの機会も積極的に増やしていきましょう。今ならまさにオンラインで30分簡単に話すことも負担にならないですし、積極的に取り組んでいきたいですね。
また必ず総務、労務関連のチームには報告しておきましょう。手続き周りのミスは会社の最もやってはいけない信頼を損ねる行為ですので、社内調整を行い受け入れる準備をしておきます。
入社後
入社後は入社前の準備がしっかりできていればさほど難しいことはありません。基本的には担当部署が行いますので、月に一回程度しっかりコミュニケーションを取り
問題があれば対応するなどでも問題なく稼働するでしょう。
また社内の制度として下記のような施策を設けておくのも良いかと思います。
コミュニケーション関連
- メンター制度
- ランチ会
- 飲み会支援
- 経営チームとの交流
- 多部署との交流
- 社内グループウェア
- 社内/社外サークル
トレーニング関連
- 担当上司との面談
- OKR等の目標設定
- 社内全体へのoff-JT
オンボーディングができて初めて人事採用担当の「会社に必要な人材を採用する」というミッションを達成できますので、内定承諾をしてからもしっかり対応して会社、個人ともが幸せになれるための一番最初の信頼構築を行いましょう。